亡き父・母が再び寄り添う

●依頼主様/小林豊子きもの学院『小林きもの着付教室』教授 小林 豊心(静子)さん

「古い着物から帯を作るのが大好き!」と笑顔でおっしゃっていた小林先生。
先生は、きものの着付けという世界から、私たちに日本の心・日本女性の美しさを 伝える日々…。
「きものとタンスはとても密接な関係です。」 確かに着物を収めるものとして衣裳箪笥は存在しました。
箪笥以上に着物というものは歴史も古く奥深いものだと感じました。

~大好きだった亡き父のタンス~
20年前にこの世を去った父。
幼い時から父が大好きでよくかわいがってもらいました。
傷みがひどかったものの、父の形見ですからと実家から譲り受けました。
『ぜひ再生して蘇らせたい』と強く願う想いがようやくこの度現実のものとなりました。
再生を終え、あまりの変貌ぶりにビックリ。父もきっと喜んでくれているはず…それを考えると胸が熱くなります。

~箪笥に刻まれた歴史~
箪笥の底に名入れの木札が付いていることを発見!!
木札の名から推測すると父が実の兄(叔父)に送った箪笥と思われます。
父が兄を慕った思いが感じられます。

~亡き父・母の再会~
蘇った箪笥の演出に帯を使いたい。この帯は亡き母のものです。 箪笥の上に覆いかぶせるようにそっと飾り付け。まるで父と母が寄り添うように見えます。家族で過ごした思い出が走馬灯のように蘇ってきました。

~小林先生の趣味~
余り布で子物を作っています。 小物を製作しているといろいろなイメージが湧いてきて楽しいです。

小林先生、この度はありがとうございました。素敵な思いを僕にお話しいただいてありがとうございました。

【 時代箪笥 】 品名:衣裳箪笥 寸法:幅105㎝×奥行45㎝×高さ90㎝ 材質:抽斗前板/栃の木、側板/杉

ヤマヒョウ家具修復師

「よみがえれ、時代箪笥!」
日本の古箪笥に魅せられること52年…地域文化や民衆の知恵から誕生した美しき和箪笥は100年を経てた現代でも私達を魅了し続けています。

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