ご存知ですか?箪笥の発祥として、もっとも早く発達したのは大阪の地だと言われています。時代をさかのぼること350年前の延宝期。日本家具の歴史がスタートした背景には生活向上と製材技術の進歩、木工具の普及が相まって誕生した事実があったのです。
箪笥の普及は、江戸中期ごろからと言われていて、時代を追うごとに商品流通の規制が緩和したため、地方においても裕福とまでは言えないがいくらか余裕が生じました。庶民の生活水準向上による衣類の持ちが増えたことで分類して収納できることに適した仕様へと商業用抽斗収納箱から転化したものと考えられています。 全国各地に現存する時代箪笥のほとんどが明治中期以降につくられたものが多いことから一般向けに衣裳箪笥として花開いたのは、この頃からではないかと独自の見解です。気候風土による用材の違いや地域独自で育まれたその特徴は当時の人々の暮らしと生活文化を表す世俗を見るようでとても美しいのです。
山形は全国に誇るすばらしい和箪笥がつくられていた歴史があります。 しかし、残念なことに今ではその産地は廃れ、 現存する和箪笥だけがその事実を物語るだけとなりました。 当社では、全国の時代箪笥を「発見」・「修復」・「再利用」・「展示」・「販売」することで時代箪笥の魅力を山形から全国へ発信する活動を行っています。
北前船の重要な寄港地として大阪の堺と並び称されていた時代。 多くの箱屋と呼ばれる指物店が軒を並べ、 互いに技術を競いながらすばらしい箪笥が誕生しました。 特に船箪笥が有名な地で全国各地に酒田製と思われる船箪笥が発見されています。 明治中期頃からは、庶民の生活が豊かになるにつれ、 衣裳を入れる箪笥の需要が高まり、その技術が衣裳箪笥にも残されております。
山形県を南から北へ貫流する最上川の中間点に位置し、 酒田の繁栄から多くの上方の珍しい物資が入ってきました。 それと共に技術も伝えられと推測し、 酒田程の華やかさはないものの素朴で深い味わいのある産地です。
木材資源の豊富さから、古くから指物業が盛んでした。 車長持と車箪笥が有名で家具博物館にも展示されています。 衣裳箪笥が盛んにつくられたのは明治後期以降と言われ、 皮肉なことに北前船の交易が廃れる頃と重なります。 大きな丸型錠前金具がほとんどで、桜・アゲハ蝶・梅など種類も様々です。 婿入り用としてつくられた箪笥もあり、 地方独特の風習が箪笥から見てとれる独自に繁栄された産地です。
全国各地の和箪笥は、独自に育んだ型式・デザインがありそれぞれが異なります。 一部代表的な産地としては、 現在も民芸家具として全国に名高い「岩手の岩谷堂箪笥」 大型でダイナミックな錠前金具が特徴の「宮城の仙台箪笥」 錠前金具の細工が類を見ない「福島の二本松箪笥」 時代箪笥を語るにはここの産地は外せない「新潟の佐渡箪笥(小木・八幡)」 すべての根底にある「東京の江戸箪笥」 歴史も古く家具の町で知られる「福岡の大川箪笥」 などなど他にもまだまだ多くの産地があります。 どこでも同一的な現在の既製家具と違い、それぞれに特徴がありその土地ならではの特色があります。 和箪笥一つから見てとれる当時の生活習慣を辿ると、とても面白いのです。
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和箪笥の金具には、出世や繁栄・富への願望と幸せ・長寿への祈りをこめたものが沢山つけられています。時代が変わっても人の望みは変わらないものですね。 ほんの一部ですが、金具の種類と意味をご紹介します。
松と竹と梅は、三つとも寒さに耐えるので歳寒の三友(さいかんのさんゆう)と呼ばれています。日本ではめでたいものとして、祝いごとに用いられます。また、世の中に争い事・揉め事が起こらずに、天下泰平であるようにと願いが込められています。
縁起の良い夢に登場する物の、めでたい順番を指しています。初夢でこれらを見ると大変縁起が良いといわれてきました。駿河の国の諺で、一説によると、駿河の名物を言うとも言われています。
菊の原産は中国です。奈良時代以後、日本にも伝えられました。梅・竹・蘭とともに四君子(しくんし)の一つとされました。 ※四君子(しくんし)・・・・・草木の中の君子として称えた言葉です。
末の方にひろがってだんだん繁盛・繁栄することを意味します。扇の別名です。
「株が上がる」にかけて「評判が良くなる」などの意味を持ち、大変縁起の良い食べ物として好まれました。
平氏の家紋として有名ですが、華やかで美しいものとして繁栄を意味していました。
旺盛な蔦ののび方から生長繁栄を意味し、ツルが絡む様から盗難よけとして使われた文様。
幸福・富貴などを意味するとされ、中国では大変好まれる花の一つ。日本では平安時代に伝わり、やはり縁起物として多くの文様が生まれています。
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