後継者がいない!どうする?この箪笥。
青森市在住 稲部様(40代ご夫妻)より修復依頼
「後継者がいない、母の実家が取り壊されることとなりました。」
そこに遺されていたのは祖父さまが愛用していたという和箪笥。
ご親戚一同で遺品を整理する機会にご自身の生い立ちやご先祖さまのことを深く考え、想いを巡らすこととなったご依頼者さま。
「幼いころから、じいちゃんの部屋にこの箪笥があり、異様な存在感がありました。」
ご親戚の中では誰もこの古箪笥を必要とせず、その扱いはご依頼者にとってとても悔しい想いがあったことと思います。
家族と相談を重ね、利活用するには修復して再生させる!
「今はボロボロだけど、再生されたその姿は美しいはず!」とご自身に芽生えた継承する豊かさを信じてご依頼いただいたのです。
更にこんなあたたかな想いも・・・
「息子は剣道をしていて、再生した箪笥は道着入れとしてプレゼントしようと考えています。」
このプレゼントを息子さんはどのように受け止められるのか?
モノを大切にすること、自身で考えを想像させるこの度の両親の教えは、心を育む手段として深く感銘を覚えました。
再生した箪笥をお引き取りに青森から軽トラックでご来店・・・。
「こんなにきれいになるとはビックリです。」
「息子に譲るのをやめようかなぁ~(笑い)」
わざわざ山形までお越しいただき誠にありがとうございました。(お土産までいただき恐縮です。)
そして、とても喜んでいただいた表情を拝見し、職人として何よりうれしい瞬間でした。
稲部様とのご縁に感謝申し上げます。
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