娘へ託す、一棹の和箪笥。

昭和の和箪笥 ビフォーアフター

東京都品川区在住/宮川様/50代ご夫妻

昭和の時代に誂えられた、重厚な塗物の和箪笥。
ご主人のご実家が空き家となり、遺品整理を進める中で、
依頼者の方はこの一棹に、自然と足を止められたそうです。

【ビフォー写真】
長年の使用と保管により、塗装は褪せ、細かな傷やくすみが見られます。
しかし、引き出しの精度や箱組み、金具の配置からは、
当時いかに手間と費用をかけて誂えられた箪笥であったかが、
今なおはっきりと伝わってきます。

漆黒であったであろうその佇まいには、
家族の暮らしを静かに支えてきた時間と、
「良いものを、長く使う」という
当時の確かな価値観が宿っていました。

【アフター写真】
今回の再生では、形や佇まいはそのままに、
現代の住空間にも調和するモダンカラーを施しました。
重厚さを残しながらも、圧迫感のない表情へと生まれ変わり、
次の世代の暮らしに自然となじむ姿となっています。

この箪笥は、娘さんのもとへ。
「捨てる」のではなく、「託す」という選択が、
時代を越えて受け継がれていきます。

時代を越え、想いをつなぐ。
和箪笥は、まだ役目を終えていません。

ヤマヒョウ家具修復家

「よみがえれ、時代箪笥!」
日本の古箪笥に魅せられること52年…地域文化や民衆の知恵から誕生した美しき和箪笥は100年を経てた現代でも私達を魅了し続けています。

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