― 経年の風合いを残し、機能を復元する ―

明治の衣裳箪笥 ビフォーアフター

山形県山形市在住/Y様/30代女性

山形の旧家、蔵の奥に眠っていた一棹の箪笥。

蔵の改修という人生の節目に、30代のご依頼主が選んだのは「受け継ぐ」という道でした。

■ 診断:百年の時を紐解く

和箪笥診断により、この箪笥が持つ真価を精査しました。

  • 製作年代: 明治期(推定)

  • 特徴: 当時特有の堅牢な構造と、力強い手打ち金具。

  • 木材: 経年により深みを増した和材の質感。

「この箪笥は子孫が受け継ぎ、これからも使える形にしたい」 そんな想いに応えるため、過度な装飾を排し、「日常使いできる機能性」の回復に注力しました。


■ 再生の内容(Restoration Details)

「新しくする」のではなく「整える」。木肌の味わいを守りつつ、現代の暮らしに馴染む補修を施しています。

項目 内容
建具の調整 引き出しの歪みをミリ単位で調整し、スムーズな開閉を復元。
木部補修 割れや緩みを丁寧に埋め、構造的な強度を確保。
金具の処置 締め直しと固定。あえて磨きすぎず、防錆保護塗装で風合いを維持。
清掃・点検 内部の徹底清掃と、今後数十年を見据えた構造点検。

■ 再生を終えて

「古いから残す」のではなく、「使い続けられるから残る」。 明治の職人が込めた手仕事は、令和の時代においても、ご家族の日常を支える道具として息づき始めました。

歴史という重みを、日々の暮らしの喜びに。 私たちは、その循環を支える技術を繋いでいきます。

ヤマヒョウ家具修復家

「よみがえれ、時代箪笥!」
日本の古箪笥に魅せられること52年…地域文化や民衆の知恵から誕生した美しき和箪笥は100年を経てた現代でも私達を魅了し続けています。

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