米沢時代箪笥(山形)のビフォーアフター
宮城県仙台市在住/山岸様/50代ご夫妻
ご主人のご実家(山形県南陽市)が空き家となり、
遺品整理を進める中で、昭和初期の米沢衣裳箪笥に目が留まりました。
長い年月を経た箪笥は、粗大ごみとして処分するにはあまりに惜しく、手放すにはしのびない――。
ご夫妻の胸には、祖父母や両親の暮らしの記憶が重なっていました。
二つ重ね式の箪笥を分離し、横並びにしてテレビ台として再利用する案が浮かびました。
しかし、年月とともに傷みが進んだ箪笥をそのままリビングに置くことには衛生面で不安もあり、
全面的な修復を決意されました。
さらに、箪笥の高さを揃えるための台輪の製作や、
大型テレビの重さに耐えられる天板の新設も併せてご依頼いただきました。
米沢箪笥の魅力は、そのサイズや装飾だけではありません。
山形置賜地方の箪笥は、女性用と男性用で意匠が異なる点も大変ユニークです。
女性用の箪笥は大型で、嫁入り時の衣装をたっぷり収めるために設計されていました。
一方、男性用は二回りほど小さく、持ち衣装の違いが反映されています。
長い年月を経ても、この箪笥は使い手の暮らしや家族の想いを映し出していました。
修復を終え、再びご夫妻の手元に戻った箪笥は、漆に似た艶やかな面持ちと
しっかりとした存在感でリビングに収まりました。
単なる家具ではなく、家族の歴史を受け継ぐ「生きた記憶」として、
新しい日々の中で再び愛される存在となったのです。



























この記事へのコメントはありません。