明治の「嫁入り箪笥」がローボードとして生まれ変わるまで

認定時代箪笥としての商品案内

「捨てられない。」から始まった物語

豪雪地・山形県西川町の納屋で長い年月を過ごしてきた一棹の明治期「やまがた衣裳箪笥(嫁入り箪笥)」。

神奈川県横浜市在住の60代男性より、「和箪笥診断」のご依頼をいただきました。

ご相談者様の願いは、「処分するのではなく、誰かに使ってほしい」というものでした。

私たちはその想いを受け継ぎ、この箪笥を現代の暮らしに活かせる家具として再生し、新たな持ち主へつなぐことを決めました。


ご相談のきっかけ

箪笥が置かれていたのは、現在は空き家となっている西川町のご実家。

長年にわたり納屋で保管されていたため、埃や汚れが積もり、抽斗の開閉も困難な状態でした。

大型の婚礼家具は現代の住環境では使いづらく、ご相談者様も処分を考えたことがあったそうです。

それでも、

「このまま誰にも使われずに消えてしまうのは切ない」

「時代箪笥が好きな人に使ってもらいたい」

というお気持ちから、和箪笥診断のご相談をいただきました。


診断で見えてきた価値

調査の結果、この箪笥は明治中期以降に山形県内で製作された衣裳箪笥と考えられました。

当時人気を集めていた仙台箪笥の影響を受けながらも、山形らしい素朴さと力強さを備えた一棹です。

特に印象的だったのは、手作業で叩き出された牡丹文様の錠前金具。

百年以上を経た現在でも、職人の確かな技術と美意識を感じさせてくれます。

一方で、そのままでは現代住宅での活用が難しいサイズであることも事実でした。


現代の暮らしに合わせて再構成

私たちが目指したのは、単なる保存ではありません。

「もう一度、使われる家具にすること。」

そこで今回は、衣裳箪笥としての役目を終えたこの家具を、現代のリビングで活躍するローボード(テレビボード)へと再構成することにしました。

主な再生内容

  • ローボードサイズへの再構成

  • 牡丹金具や時代の風格を継承

  • 抽斗の開閉調整

  • 内部の清掃・衛生処理

  • 構造補修による耐久性向上

歴史や面影を残しながら、現代の暮らしに馴染む家具へと生まれ変わらせていきます。


「使われてこそ、家具は生きる」

私たちは時代箪笥本来の姿を残す修復も大切にしています。

しかし同時に、家具は使われてこそ価値があるとも考えています。

毎日の暮らしの中で人の手に触れられ、家族の時間を支えることで、家具は再び命を宿します。

かつて嫁入り箪笥として人生の門出に寄り添ったこの一棹も、これからはリビングの中心で新しい物語を刻んでいくことでしょう。


「認定時代箪笥」として新たな持ち主へ

この度の再生は、所有者様から託された

「捨てたくない」
「誰かに使ってほしい」

という願いを受け継ぐ取り組みでもあります。

私たちは、時代箪笥の歴史や風格を大切にしながら、機能性や衛生面を見直し、安心して日常使いできる家具へと再生しています。

こうして生まれ変わった家具を、私たちは「認定時代箪笥」として次の世代へ橋渡ししています。

元の持ち主様の想い。

職人が込めた技と誇り。

そして、これから出会う新しい家族の暮らし。

そのすべてをつなぐことが、私たちの仕事です。


認定時代箪笥として販売

品名
明治期 やまがた衣裳箪笥 再生ローボード

時代
明治中期~後期

サイズ・主材
幅106×奥行42.5×高さ49㎝(脚付+10㎝)/杉

特徴
牡丹文様錠前金具/ローボード仕様/抽斗・扉調整/内部衛生処理/構造補修/アイアン脚

※完成品は、店頭先行販売を行っております。オンラインショップは後日アップ予定です。

※お問い合わせは、電話 023-688-2624 でも対応しております。(担当:井上まで)


ご実家の古い箪笥でお悩みの方へ

「空き家になった実家に古い箪笥が残っている」

「処分したいけれど、どうしても気が進まない」

そんな時は、ぜひ一度『和箪笥診断』をご利用ください。

私たちは、その箪笥が持つ価値を見極め、修復・再生・活用方法を含めた最善の残し方をご提案いたします。

家具を捨てるを、なくす。

これからも一棹一棹の物語を未来へつないでまいります。

ヤマヒョウ家具修復家

「よみがえれ、時代箪笥!」
日本の古箪笥に魅せられること52年…地域文化や民衆の知恵から誕生した美しき和箪笥は100年を経てた現代でも私達を魅了し続けています。

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