昭和初期の桐箪笥 ビフォーアフター
山形県山形市在住/浜田様/60代女性
〜約40年の時を経て、受け継がれた総桐婚礼箪笥〜
今回お預かりしたのは、昭和初期につくられた質の高い総桐の婚礼箪笥です。 この箪笥には、約40年という歳月を超えて受け継がれてきた、ご家族の物語がありました。
お祖母様が嫁入り道具として誂えられた婚礼箪笥は、当時としても大変珍しい三棹揃いの総桐箪笥でした。 約40年前、お客様がご結婚される際、そのうち一棹は美しく修復され、新たな婚礼箪笥として新生活へと受け継がれました。 もう一棹は、お母様が長年愛用され、ご高齢になられた現在は役目を終え、お部屋に大切に置かれていました。
そして最後の一棹だけが、ご実家の蔵の二階で、静かに眠り続けていたのです。
「祖母の想いを、これからも受け継ぎたい」
当初、お客様は、お母様が使われていた箪笥をご自身が受け継ぎ、修復して使い続けたいと考えておられました。 しかし、長年使い込まれた箪笥は傷みが想像以上に進んでおり、今後長く使い続けることを考えると、大掛かりな修復が必要な状態でした。
ご家族で話し合われた結果、選ばれたのは「蔵で静かに眠っていた、揃いの総桐箪笥を再生すること」でした。
「祖母の想いが詰まった大切な箪笥だから、これからも使い続けたい」
その強い想いを受け、私たち家具のヤマヒョウが、修復・再生のお手伝いをさせていただくことになりました。
長い眠りの中でも失われなかった、総桐の生命力
蔵で長年保管されていた箪笥は、表面にカビや汚れが広がり、長い年月を物語る姿となっていました。 しかし、いざ木地を確認すると、総桐ならではの良質な材はしっかりと健在。時を重ねても失われない素材の力強さが、そこにはありました。
その姿を目にした瞬間、「この箪笥は、必ず美しく蘇る」と確信し、修復作業に取り掛かりました。
【修復・再生の工程】
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洗浄・漂白・乾燥 長年蓄積した汚れやカビを、素材を傷めない方法で丁寧に洗浄・漂白。十分な時間をかけて乾燥させます。
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木部の修復・削り直し 反りや歪みを見極めながら、木地を丁寧に削り直し、引き出しや戸の建付けをミリ単位で調整。総桐本来の美しい白木肌が、再び姿を現しました。
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金具の再生 すべての金具を取り外し、一点ずつ汚れや錆を落として磨き上げました。当時の粋な意匠を大切に残しながら、これから先も安心して使い続けられる状態へと甦らせています。
三棹、それぞれが新たな役目を受け継ぐ
こうして蔵で眠っていた一棹は、見違えるほど美しく蘇り、お客様のもとで新たな年月を刻み始めます。
三棹の婚礼箪笥は、それぞれ異なる人生を歩むこととなりました。
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一棹目は、 お客様の婚礼箪笥として、新たな家庭のスタートを支え。
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二棹目は、 お母様の人生に寄り添い、その役目を全うして。
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三棹目は、 長い眠りから目覚め、再び現代の暮らしの中で活躍する存在へ。
お母様が長年愛用されてきた二棹目の箪笥は、今回、当店が大切に譲り受けることとなりました。 長年ご家族を支えてきた大切な家具だからこそ、処分するのではなく、私たちがその歴史と想いを受け継ぎ、新たな利活用(次の世代への橋渡し)へとつないでいきます。
家具を遺すことは、家族の物語を未来へ遺すこと
家具は、単なる収納道具ではありません。 人生の節目を見守り、家族の思い出を刻み、世代から世代へ受け継がれていく「時間の器」です。
私たちは、傷んだ家具を美しく修復するだけでなく、その家具に宿る想いや、ご家族が歩んできた歴史までも未来へつないでいきたいと考えています。
「家具を捨てるを、なくす。」
それが、家具のヤマヒョウの変わらぬ使命です。 大切な家具を処分するか迷われている方、受け継ぎたい家具をお持ちの方は、どうぞお気軽にご相談ください。一棹一棹に刻まれた物語を、次の世代へ橋渡しするお手伝いをさせていただきます。

























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