時代箪笥のリメイク
山形県山形市在住/遠藤様/30代女性
一戸建ての建て替えを機に、長年大切にされてきた先祖ゆかりの山形衣装箪笥(明治期)を
新しい暮らしの中でも生かしたい——。
そんなご家族の想いから、再生のご依頼をいただきました。
経年劣化が進んでいたものの、それは“我が家の歴史を語る生き証人”。
「捨てるにはしのびない。新しい家でも、この箪笥と一緒に暮らしたい」
その温かな気持ちが、今回のリメイクの原点となりました。
もとの姿を生かしながら、テレビボードとして再構成。
重厚な引き出しの意匠はそのままに、脚を設けることで
現代のリビングにも自然に溶け込む佇まいに仕上げました。
完成した箪笥を前に、お母さまとお嬢さまが並んで微笑まれる姿が印象的でした。
それは、家具を受け継ぐということの温かさと、
「形を変えても、想いは変わらない」という確かな絆を感じる瞬間でした。
明治の手仕事が、令和の暮らしの中で、
新たな命を宿し、再び息づいています。


























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